ビジネスと社会 / REGIONAL REVITALIZATION
地元の人が、地元を描く:
ご当地ペインターという地域モデル
文:フェイスペイントジャーナル編集部
要旨 外からペインターを呼ぶのではなく、地元の人がペインターになる。POOLは2015年から、地域のイベントで活躍できるペインターを育てる「ご当地ペインター」の取り組みを進めてきました。資材、人材育成、収益モデルをひとまとめにした、地元で完結する地域活性のモデルです。
考え方
イベントの運営団体、自治体、NPOなどが、安全で費用を抑えたフェイスペイントを自分たちで実施できるよう、資材と人材育成と収益モデルをまとめて提供します。地元の名所や名産品、メッセージを顔に描けば、観光客だけでなく、地元の人に向けた「地元ブランディング」にもなります。2016年の時点で、約100名が公認ペインターとして登録していました。
鳥羽水族館(2016年):飼育員がペインターに
普段は動物や魚の飼育係、施設の職員として働くスタッフが講習を受け、生きものの知識で会話しながら描けるようになりました。スナドリネコの入館1周年にあわせた企画展「TBAイヌネコ総選挙」(2016年3月19日〜4月3日)で実施しています。
港区観光協会(2017年):東京タワーを顔に
「ツーリズムEXPOジャパン」への初出展で、港区の分かりやすいPR手法として、東京タワーのご当地ペイントを導入しました。子どもだけでなく10代・20代や家族連れが立ち寄り、SNSでの二次的なPRと拡散は想定以上だったといいます。
狭いスペースでアトラクションを運営できる。ペイントした人に会場を歩いてもらうことで宣伝になる。近くの出展者とも交流でき、協力関係が築けた。
談:港区観光協会 事務局長 大河内裕樹氏。翌2018年も港区のメインコンテンツとして登場
品川区(2017〜2018年):区の認定
2017年に品川区の代表製品「メードイン品川」、2018年に区が新設した「社会貢献製品」に認定されました。水を使わず、準備も片付けも簡単で、だれでもバリアフリーなレクリエーションができる点が評価され、区内の児童館への製品支給や、特別養護老人ホームでの説明会なども行われました。
しくみ:育てた人が、地域に残る
イベントのたびに外部へ依頼すると、ノウハウは地域に残りません。地元に担い手を育てれば、施設の職員や地域の人が、本業の知識を生かして描けるようになります。
法令への対応
地域の担い手が運営する場合も、美容師法への対応が前提になります。運営方法は、日本フェイスペイントイベント協会の「法令の基礎」をご覧ください。
転用するなら
- 外部に頼むたびにノウハウが流れ出ていないか。地元に担い手が残る設計か
- 地元の名所や名産を、来場者が身につけて持ち歩ける形にしているか
- 職員の本業の知識(生きもの・観光・地域)を、体験の価値に変えられているか