フェイスペイントを、ビジネスと文化の視点で。

Business, Culture & Event Design

トップ / ケーススタディ

ケーススタディ / INCLUSIVE SPORTS

声を出せない会場で、
応援はどう生まれるか

CASE: IBSA BLIND FOOTBALL WGP 2018YURU MUSIC 2019

文:フェイスペイントジャーナル編集部

要旨 ブラインドサッカーは、プレー中に観客が大声で応援できない競技です。その会場で開いたフェイスペイント教室は、声に頼らない応援の形を見せました。「だれもが参加できる」ことを設計の起点に置くと、フェイスペイントは応援のバリアフリーになります。

背景

2018年3月、品川区立天王洲公園で開かれた国際視覚障害者スポーツ連盟(IBSA)公認の「ブラインドサッカー ワールドグランプリ2018」。その決勝日に、子どもからお年寄りまで一緒に参加できる「みんなで応援フェイスペイント教室」を開きました。POOLは品川区のオリンピック・パラリンピック準備課の認定支援企業として参加しています。

起きたこと

教室は開始から子どもたちでにぎわい続けました。観戦客だけでなく、試合を終えた子どもの選手たちも「必勝」と描いたり、チームのペイントを作戦会議したり。親が撮った写真をSNSに投稿すると「いつもより反応が多い」と驚く声があり、併設した画材の販売も予想を上回りました。

しくみ:声の代わりになる「見える応援」

ブラインドサッカーは音でボールの位置を知るため、プレー中は静かに見守るのがルールです。顔に描いた応援は、声を出さなくても周りを元気にします。ペイントした子どもたちが観客席に並ぶ光景そのものが、会場の空気を変えました。

しかけ:絵心より、遊び心

上手に描けるかではなく、何を描くかを考える過程を楽しむ設計にしました。はがせる画材なので、失敗を気にせず何度でも挑戦できます。参加のハードルを、道具の側で下げています。

もうひとつの例:だれでも弾ける楽器の音楽会

2019年12月、世界ゆるスポーツ協会から生まれた「世界ゆるミュージック協会」が、横浜・象の鼻テラスで「いきなりみんなでクリスマスコンサート」を開きました。リズム感や音感がなくても演奏できる「ゆる楽器」を体験するイベントで、ミラクルペイントも「ゆるアート」として参加しています。「できない理由をなくす」という企画の思想は、だれでも描けてすぐにはがせる画材と同じ方向を向いています。

転用するなら